インデックス
01
ノスキッド仕上げとは
「ノスキッド仕上げ」とは、滑り防止を目的に、コンクリート表面に微小な突起を形作ることを云います。微小突起は高さが1〜2mm程度で、隣接する突起間の距離は1〜2cmです(写真1)。
【
ノスキッド仕上げの基本条件】
- 湿潤時で滑り抵抗値が40BPN以上であること
- 排水性が良いこと(冬季に水が溜まり凍結しないこと)
- 誘導ブロックと混同されぬよう微小突起とすること
- 歩行に違和感がなく、人が転倒時に怪我の少ない形状であること
- 傾斜部に車椅子の昇降に適切な微小突起と摩擦力を与えること
【突起の形状は滑り防止に最適】
靴底や自転車のタイヤを想定したゴム板とコンクリート突起部との接触や噛合いをCAE解析(コンピュータシミュレーション)で検討し、最適突起形状を選定しました。
噛合わせ部の接触応力分布を、ゴム側とコンクリート側について図1(a)、(b)に示します。
滑り止め加工部の詳細をドットタイプを例にとって図2に示しました。
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図2 ノスキッド仕上げ部詳細(ドットタイプの一例)
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02
ノスキッド仕上げでこんな点がよくなります
スキッド転倒事故の防止
「ノスキッド仕上げ」は人や自転車やバイクなどのスキッド事故防止に役立ちます。
【摩擦試験が示すノスキッド仕上げの滑り防止効果】
ASTM(American Society for Testing and Material) E303 [英国式振り子滑り抵抗試験機を用いる表面摩擦特性の測定法]を準用して測定した、ノスキッド仕上げコンクリート平板の滑り抵抗性能の一例を図3に示しました。
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図3 ノスキッド仕上げコンクリートの滑り抵抗性
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試験体:
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300×300×60mm ノスキッド仕上げコンクリート平板、普通コンクリート平板 各3体
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試験方法:
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ASTM E303
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試験機関:
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(財)建材試験センター
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滑り防止性能の耐久性は十分
【突起が摩耗しても滑り防止性能保持】
「ノスキッド仕上げ」表面突起は摩耗しても滑り防止性能を保持しています(図4)。
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図4 ノスキッド仕上げコンクリート突起の摩耗と滑り抵抗性
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試験体:
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300×300×60mm 平板3体
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試験方法:
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100×150×15mmの靴底仕様ゴムを荷重5kg、速度15cm/sで試験体上を滑らせ、ダイヤルゲージで磨耗高さを、ASTM E303に準じて滑り抵抗値を測定
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試験機関:
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東北工業大学工学部 伊藤研究室
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【突起の強度を高めることも可能】
突起の強度をさらに高めることもできます。例えば、成形後のコンクリート製品表面にケイ酸リチウム等の水溶液を塗布することで、耐摩耗性が改善されます(図5)
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図5 ノスキッド仕上げコンクリートの表面処理効果
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試験体:
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100×100×15mm 平板 各2体
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試験方法:
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JIS K 7204(テーバー摩耗試験)準拠
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試験機関:
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東北工業大学工学部 伊藤研究室
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雨天夜間の車両安全走行に寄与
【運転者の視線誘導効果が大きい】
「ノスキッド仕上げ」により、コンクリートの光反射が仕上げ前に比して約2倍に高まり、雨天夜間においてはドライバーの視認性が大幅に改善されます(図6)。
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図6 各種(道路用)平板の光反射率
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試験体:
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300×300×60mm 平板 各3体
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試験方法:
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夜間(環境照度2〜3lx)、乾燥・湿潤・帯水(水膜厚1.5mm)状態の試験体前方 40〜10mの地点より車の前照灯(下向)を照射し、試験体表面の照度、輝度を測定
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試験機関:
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名城大学理工学部 藤田研究室
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違和感のない歩きやすさ
【車椅子で通っても大丈夫】
「ノスキッド仕上げ」の微小突起は高さが1〜2mm程度、間隔が1〜2cm程度で、従来の車両滑り止めなどと比較して微小、高密度に作られているため、その上を人が歩いても、車椅子などが通っても全く違和感がありません(写真3)。
【こんな場所でもOK】
「ノスキッド仕上げ」が適用されたプラットホームや階段は雨天でも安心です(写真4)。
景観に適合したデザイン
「ノスキッド仕上げ」はコンクリート表面の冷たい感じを和らげ、景観に適合した表情を持っています。群馬県ではグッドデザイン賞を受賞しました。
03
ノスキッド仕上げ適用製品
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歩道用…………
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平板、舗道スラブ、プラットホーム、階段ブロック
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歩車道境界……
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エプロンブロック、歩車道境界ブロック、段差ブロック
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歩車道用………
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水路及び水路蓋、桝枠及び桝蓋、大形スラブ
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車道用…………
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横断側溝および横断蓋、軽荷重スラブ、特殊L型及びL形
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